事業再構築補助金 – 加点・減点項目について

(最終更新日:2024年1月10日)

審査の際に加点される(減点される)項目とは?

こちらの記事では補助金の採択決定にあたり考慮される審査項目について紹介しました。
今回の記事では加点項目と減点項目について紹介します。

 

加点項目は12項目

1、5、7、9、10の加点項目については、エビデンスとなる添付書類を提出し、各要件に合致することが確認できた場合にのみ加点されます。
3、4、8、11、12)の加点項目については、電子申請システム上でチェック事項を入力します。

 

  1. コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者に対する加点(コロナ借換加点)
  2. 「コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)」申請事業者に対する加点
  3. 経済産業省が行うEBPMの取組への協力に対する加点
  4. パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点
  5. 事業再生を行う者(以下「再生事業者」という。)に対する加点
  6. 特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点
  7. サプライチェーン加点
  8. 健康経営優良法人に認定された事業者に対する加点
  9. 大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点
  10. 事業場内最低賃金引上げを実施する事業者に対する加点
  11. ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点
  12. 技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者に対する加点

 

1.コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者に対する加点(コロナ借換加点)

  • 応募申請時において、コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること。
  • コロナ借換保証等とは、下記の制度を指す。
    • (1)伴走支援型特別保証(コロナ借換保証)
    • (2)コロナ経営改善サポート保証
    • (3)新型コロナウイルス感染症特別貸付
    • (4)生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付
    • (5)新型コロナ対策資本性劣後ローン
    • (6)生活衛生新型コロナ対策資本性劣後ローン
    • (7)[新型コロナ関連]マル経融資
    • (8)[新型コロナ関連]生活衛生改善貸付
    • (9)[新型コロナ関連]沖縄雇用・経営基盤強化資金

 

2.「コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)」申請事業者に対する加点

  • 指定の要件を満たし、コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)に申請すること。

 

3.経済産業省が行うEBPMの取組への協力に対する加点

  • データに基づく政策効果検証・事業改善を進める観点から、経済産業省が行EBPMの取組に対して、採否に関わらず、継続的な情報提供が見込まれるものであるか。

 

4.パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点

 

5.事業再生を行う者(以下「再生事業者」という。)に対する加点

  • 中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等から支援を受けており、応募申請時において以下のいずれかに該当していること。
    • (1) 再生計画等を「策定中」の者
      中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等からの支援のうち1) ~7)のみが対象

      1. 中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)が策定を支援した再生計画
      2. 独立行政法人中小企業基盤整備機構が策定を支援した再生計画
      3. 産業復興相談センターが策定を支援した再生計画
      4. 株式会社整理回収機構が策定を支援した再生計画
      5. 「私的整理に関するガイドライン」に基づいて策定した再建計画
      6. 中小企業の事業再生等のための私的整理手続(中小企業版私的整理手続)に基づいて策定した再生計画(令和4年4月15日から適用開始)
      7. 産業競争力強化法に基づき経済産業大臣の認定を受けた認証紛争解決事業者 (事業再生ADR事業者)が策定を支援した事業再生計画
      8. 独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資した中小企業再生ファンドが策定を支援した再生計画
      9. 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構が同機構法第 19 条の規定による支援決定を行った事業再生計画
      10. 株式会社地域経済活性化支援機構が株式会社地域経済活性化支援機構法第 25 条の規定による再生支援決定を行った事業再生計画
      11. 特定調停法に基づく調停における調書(同法第 17 条第1項の調停条項によるものを除く。)又は同法第 20 条に規定する決定において特定された再生計画

※1から7における「策定中」の定義は以下のとおり。

      • 1から3:「再生計画策定支援(第二次対応)決定」以後
      • 4:企業再生検討委員会による「再生計画着手承認」以後
      • 5:同ガイドラインに基づく「一時停止の要請」以後
      • 6:同手続きに基づく「一時停止の要請」以後
      • 7:事業再生 ADR 制度の「制度利用申請正式受理」以後

 

    • (2) 再生計画等を「策定済」かつ応募締切日から遡って3年以内(令和3年7月27日以降)に再生計画等が成立等した者

 

6.特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点

  • 以下のいずれかに該当し、「2. 補助対象者」に記載のある【中小企業者】及び【「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人】に該当しないこと。
    1. 従業員数(常勤)が下表の数字以下となる会社又は個人のうち、資本金の額又は出資の総額が10億円未満であるもの
      業種 常勤従業員数
      製造業、建設業、運輸業 500人
      卸売業 400人
      サービス業又は小売業
      (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
      300人
      その他の業種(上記以外) 500人
    2. 生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
      • その直接又は間接の構成員の3分の2以上が、常時300人(卸売業を主たる事業とする事業者については、400人)以下の従業員を使用する者であって10億円未満の金額をその資本金の額又は出資の総額とするものであるもの。
    3. 酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会
      • (酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会の場合)
        その直接又は間接の構成員たる酒類製造業者の3分の2以上が、常時500人以下の従業員を使用する者でであって10億円未満の金額をその資本金の額又は出資の総額とするものであるもの。
      • (酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会の場合)
        その直接又は間接の構成員たる酒類販売業者の3分の2以上が、常時300人(酒類卸売業者については、400人)以下の従業員を使用する者であって10億円未満の金額をその資本金の額又は出資の総額とするものであるもの
    4. 内航海運組合、内航海運組合連合会
      • その直接又は間接の構成員たる内航海運事業を営む者の3分の2以上が常時500人以下の従業員を使用する者であって10億円未満の金額をその資本金の額又は出資の総額とするものであるもの。
    5. 技術研究組合
      • 直接又は間接の構成員の3分の2以上が以下の事業者のいずれかであるもの。
        • 上記1) 記載の事業者
        • 企業組合、協同組合

 

7.サプライチェーン加点

  • 複数の事業者が連携して事業に取り組む場合であって、同じサプライチェーンに属する事業者が、以下を満たし、連携して申請すること。
    • 直近1年間の連携体の取引関係(受注金額又は発注金額)が分かる書類(連携体に含まれる全ての事業者が、連携体内での取引関係があることが必要)について、決算書や売上台帳などの証憑とともに提出すること。
    • 電子申請の際、該当箇所にチェックをすること。

 

8.健康経営優良法人に認定された事業者に対する加点

 

9.大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点

  • 市場拡大要件を満たして事業類型(A)に申請する場合・事業類型(B)が対象。
  • 事業実施期間終了後3~5 年で以下の基準以上の賃上げを実施すること(賃上げ幅が大きいほど追加で加点)。
    • 1.給与支給総額年平均成長率3%
    • 2.給与支給総額年平均成長率4%
    • 3.給与支給総額年平均成長率5%

 

10.事業場内最低賃金引上げを実施する事業者に対する加点

  • コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)が対象。
  • 事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を以下の水準とすること(水準が高いほど追加で加点)。
    • 1.地域別最低賃金より+30 円以上
    • 2.地域別最低賃金より+50 円以上

11.ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点

  • 応募申請時点で、以下のいずれかに該当すること。
    1. 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定(えるぼし1段階目~3段階目又はプラチナえるぼしのいずれかの認定)を受けている者又は従業員数 100 人以下であって、「女性の活躍推進データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している者
      厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース
    2. 次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく認定(くるみん、トライくるみん又はプラチナくるみんのいずれかの認定)を受けた者又は従業員数 100 人以下であって、「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)」に次世代法に基づく一般事業主行動計画を公表している者
      厚生労働省「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)

 

12.技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者に対する加点

  • 成長分野進出枠(通常類型)、成長分野進出枠(GX進出類型)が対象。
    技術情報管理認証制度の認証を取得していること。
    経済産業省「技術情報管理認証制度

 

減点項目は5項目

1.加点に係る申請内容未達時の対応

  • 加点を受けたうえで、本補助金で採択されたにも関わらず、申請した加点要件を達成できなかった場合は、事業化状況報告において未達が報告されてから 18 ヵ月の間、中小企業庁が所管する補助金への申請にあたっては、正当な理由が認められない限り大幅に減点します。
    • 中小企業庁が所管する補助金
      ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、サービス等生産性向上 IT 導入支援事業、小規模事業者持続化補助金、事業承継・引継ぎ補助金、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech 事業)、事業再構築補助金、中小企業省力化投資補助事業
  • 災害を受け、事業において著しい損失を受けたと認められる場合等により、やむを得ず加点要件を達成できなかった場合には、その限りではありません。その場合には、事業化状況報告の提出時にその理由を説明してください。やむを得ない理由と認められた場合に限り、減点を免除いたします。
    • 著しい損失を受けたと認められる場合
      震災、風水害、落雷、火災その他の災害を受け、又は盗難にかかったこと等により、事業において著しい損失を受けたと認められる場合(国税通則法第 46 条)その他これに準ずるものとして中小企業庁が認めた場合
  • 本補助金の審査にあたっては、中小機構及び中小企業庁所管の他補助金事務局が保有する、申請者に係る他補助金の申請・交付等に関する情報を利用させていただきます。また、効率的な補助金執行のため、本事業の申請・交付等に関する情報についても、中小機構及び中小企業庁所管の他補助金事務局に対して情報共有いたします。

 

2.過去補助金交付候補者として採択された事業者(成長分野進出枠(GX進出類型))

  • 既に過去の公募回で補助金交付候補者として採択されている又は交付決定を受けている場合には、一定の減点を受けることとなります。加えて、別事業要件及び能力評価要件についても審査され、追加での減点となる場合もあります。これらについては、別事業要件及び能力評価要件の説明書に基づき評価されます。

 

3.複数の事業者が連携して事業に取り組む場合

  • 連携体の必要不可欠性について審査された結果、減点の対象となる場合があります。これについては、連携の必要性を示す書類(代表申請者用)に基づき審査されます。

 

4.事業による利益が第三者のものになる事業に取り組む場合

  • ビジネスモデル上、補助事業の実施により発生した付加価値額の大部分が、補助事業者(従業員や株主を含む。)以外にわたる事業等は、事業再構築に挑戦する中小企業等の成長を支援し、日本経済の構造転換を促す本事業の目的に沿わないため、当該事業を含む事業計画に基づく申請は、減点の対象となります。

 

5.過剰投資の抑制

  • 各申請者が事業計画策定時に実施した市場分析は、事業計画策定時の情報を元に実施されたものであり、応募申請後、補助金交付候補者の採択発表時までの社会情勢・市場の変化や、本補助金の支援を受けて新たに行われる他社の事業による影響を考慮できておりません。
  • 事業計画書に記載されている市場分析を実施した時点では、当該申請者に優位性が認められた場合でも、実際に申請者が事業を実施する段階においては、その優位性が消滅している可能性もあります。
  • したがって、特定の期間に、類似のテーマ・設備等に関する申請が集中してなされている場合には、一時的流行による過剰投資誘発の恐れがあるため、別途審査を行います。過剰投資と判断された申請に関しては、事業計画書に記載されている市場分析のとおりに事業を実施することが困難であると考えられるため、大幅な減点を実施します。

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